シンプルな暮らしに大きすぎるもの、果物
昨日、またリンゴを買いました。赤いのが4個入って200円になっていました。今、重さをはかると1.1kg。これだと、オーストラリアの安めの値段と同じくらいです。
ただし、この値段は普通の値段ではありません。見切り品です。春になって、リンゴが早く傷むようになったのでしょう。大幅に安くなったものを見かけます。これもその一つ。
日本の普通の値段のリンゴは私は買いません。高すぎます。この間見たリンゴは、見切りの棚でも1個200円でした。巨大でしたが。
日本は果物の高い国です。昔から、病気の人のお見舞いに、きれいなかさばる使い道のないバスケットに入れて、お遣い物にした背景があるからでしょうか。
高級なもの、大きいもの、甘いもの、立派に見えるもの、そういう方向に日本の果物は、特にリンゴは進化してきました。
だから、普段、毎日、家族が勝手に食べるものではない、んですね?
この唯一の例外は冬の温州ミカンではないかと思います。都会の人でも箱で買って、こたつに座って食べたという思い出のある人がいます。
私は生産地で育ったので、冬場はミカンがあふれていて、腐ってくるミカンもおなじみの姿です。
庭に柿の木があれば、そして、それが渋柿でなければ柿も例外ですが、こちらはミカンほど多くありません。
オーストラリアのリンゴは使い道が違います。自分で勝手に食べるものです。毎日の使い道は子どものお弁当。給食がある学校は、あるのでしょうか?
保育園ならあるところが多いでしょうが、それでも、「毎日1個ずつ果物を持ってこい」というところがありました。持ち寄った果物を先生が切って、みんなで分け合っておやつにするのです。
オーストラリアの小中学生のお弁当は、サンドイッチと果物1個、飲み物という感じです。手を抜くときは(というか、うちは通常でしたが)、サンドイッチはピーナツバターを塗っただけ。
真面目なお母さんならハムとレタスとか入れるのでしょうが。
ともかく、日本のあのリンゴは、お弁当箱に入りません! 大きすぎます。それに、高すぎます。
私が買った見切り品のリンゴ、キロ当たりの値段はオーストラリアと同じぐらいでも、1個の大きさが、倍とは言わないでもかなりの差です。
果物が安く、食べ切りサイズのオーストラリアでは、野菜代わりの利用もかなりあると思います。最近は白菜や大根なども普通に見られるようになりましたが、野菜の種類はもともと少ないです。
オーストラリアの野菜料理の伝統は、肉のステーキの付け合わせの、ゆでたサヤインゲン、ニンジン、ジャガイモです。
最近はこういうのも用意しない人が増えています。だから、今日は野菜が少なかったから、オレンジでも食べておこうかということもあります。
果物はリンゴ、洋ナシ、バレンシアオレンジ、ネーブル、バナナ、ブドウ、初夏ならモモとかネクタリン、そういう果物が季節によって、八百屋の店先にどっさりそのままの姿で並びます。
キロいくらなので、買う人は勝手に選んで袋に入れて、レジに持っていきます。小さめが好きな人、大きめが好きな人、赤いのがいい人。
移住してしばらくしてから、Fujiというリンゴが出てきました。日本からフジの苗木を輸入して栽培し始めたのでしょうが、日本のフジと違って、オーストラリアサイズになってました。
オーストラリアの果物事情を紹介してみましたが、日本ではこれからさらにひとり暮らしが増えていきます。ひとり暮らしの老人です。そういう人で大きな高いリンゴを買う人はどのくらいいるでしょうか?
じゃあ、半分食べれば?というのは非現実的です。老人は忘れます! リンゴをお母さんがむいて、くし形に切って、家族で一緒に食べる団らんの図は過去のものになりつつあります。
リンゴが小さくなっても、老人がわざわざ自分のために皮をむいて食べるか?という疑問は残りますが、貴重になっていく若者が、今日は野菜足りなかったなとリンゴを丸かじりしてくれる可能性だって、あります。
そういえば、毎日リンゴを食べていれば医者いらずということわざがあります。An apple a day keeps the doctor away.
私の場合は大きなリンゴを食べすぎて、体重増加で生活習慣病の道をたどっていますが。
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