日本―新築 オーストラリア―中古 住宅事情
新築か中古か
けさの朝日新聞を読んで、ああやっぱり。
オピニオン&フォーラムという面で、「やはり新築・持ち家?」というのが本日のテーマ。
家を買う気はないので、それほど関心はなかったのですが、日本で売っているのは圧倒的に新築というか、建てる家だなあと思っていました。
オーストラリアで家を持つとなると、建てるのではなく大半が中古です。
それは思っていたのですが、
今日の記事には、はっきり数字が出てます。
円グラフが4つ。
新築住宅の着工戸数と、中古住宅の取引戸数を比べています。
日本は中古が14.7%、米国が83.1%、英国が87.0%、フランスが68.4%。
フランスは少し少ない。まだ田舎がたくさんあって、農地だったところに人口が流入してきて建ててるんでしょうか?
オーストラリアはフランス程度でしょうか。
なぜ長く使う?
石造りの家だから、耐用年数が長いんじゃないの?と思うかもしれませんが、オーストラリアの暖かいあたりの家は木造が多いです。
ブリスベンのうちの家も壁は木の板、屋根はトタン!です。
1960年あたりに、今の場所にどっかから運んできたそうです。
そんなチャチな家を日本じゃわざわざ運んで移築しないでしょうが…
だから作ったのはもっと前、第二次世界大戦前です。もしかしたら100年近くたっているかもしれません。
典型的な昔の高床式。二階建てに見えますが、実は下は、あとから周りに壁をつけて囲っただけ。
暑いところですから、変な虫やヘビなどが上がって来ないように、下を風が通り抜けて少しでも湿気が飛ぶように、涼しいように、洪水になっても平気なように、そういう熱帯の小屋がちょっと進化したものです。
上の階の床と、下の階の天井が1枚の板なんです。板の隙間があれば、上から下が見えます。
日本じゃ考えられないような家です。
でも、それがまだ立ってて、まだまだ壊れそうにないです。
無駄がいいことだった
日本は新築が多いねという話をしたら、30年ぐらい使うことを想定しているのではないかと答えた人がいましたが、
壊れないでしょうね。住宅会社が時間設定してわざと壊れるようにセットしていなければ。
いくら新建材やら、集成材でも。
Scrap and buildとよく言います。これは英語なんだろうかと、検索しても、英語のサイトは出てこない…
和製英語だそうです。
つぶしてつくる
これが日本の戦後の経済成長の鍵だったんでしょう。
日本には「もったいない」文化がある。これを大事にして広めようという話もありますが、
住宅や車に関しては、ありません。
というより、電化製品だってそうですよね。
ないない。
おかげで勤労意欲もあがり、貯金もし、経済も発展してきたのではありますが、
少子高齢化ですし、
そろそろ方向転換して、
「中古住宅を買って、リフォームして快適に暮らす」というのが普通になったほうがいいのではないでしょうか。
どう暮らすのがいいのか
しかし、うちのブリスベンの家、今年の夏はとっても暑かったようです。
板壁で断熱なんて入ってないので、エアコンを設置する気にならないのですが、
耐えられなくなったらどうしよう…
庭に断熱性の高い小屋を建ててそこに避難する。これ、上の論調と矛盾です。
夏になったら南の端のタスマニアに逃げるという案も考えられますが、
いずれにしろ、先立つものがないと無理です。
来週、再来週はブリスベンです。どうか酷暑にならないでくれと祈ってます。
しかし、私たちが移住した30年ぐらい前は、ブリスベンでもまだエアコンのない家が圧倒的多数でした。
今は、ある家の方が多いかもしれません。
人間が変わったこともあるでしょうが、地球温暖化が大きいんでしょう。
おまけに温暖化が進んだのは、せっせとスクラップ・アンド・ビルドをやったからですよね。
それで暑くなったら、断熱の悪い家をつぶして、断熱性能のいい家を建てる…
そうすると、材料とか作ってまた温暖化は進む…
どうせ人口減少で家はいらなくなるんですから、
そこを緑地にしたらどうでしょう?
住宅地のあちこちに緑の草地が広がったら素敵じゃないですか?
ああ、だめです。芝刈り大変。
でも、防草シートにあちこち重石をおいている荒廃感の漂う光景が広がるよりはずっといいですけどね。
いつ倒れてくるんだろうとひやひやしながら廃屋のそばを走るのもこわいです。
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