家族がいないと、ご飯作りはシンプル、でも……
子どもが育ち、家を出ていくと、家族の数はだんだん減って、最後はひとり? モノだけでなく、人の数もすっきり。私はそうなる前に、子どもたちを残して実家に来て、ひとりになりました。
ひとりだと、ご飯作りも、何を食べたいだろうと家族の気持ちを推しはかる必要もなく、自分の食べたいものだけを考えればいいので、簡単です。おまけにいくらでも手を抜けます。何時までに作るという縛りもありません。
毎日のご飯を作るのはほんとに面倒です。でも、家族がいればまだ、作らなければという義務感も、食べさせて楽しいという満足感も得られます。だからお菓子も作りました。ケーキを最後に焼いたのはいつだったのか?
初めからずっとひとりなら、自分のために作って楽しむという心持ちを身に着けたのでしょうが、私はまだそこまで育っていません。
「ブリスベンのわが家に帰れば家族がいる、食べさせるのは面倒だけど、食べさせることのできる家族がいる」という甘い気持ちにしがみついています。
ひとりでいることで何よりネックになるのが、作ったものはすべて自分で消化しなければいけないこと、反対に言うと、すべて食べてしまってもいいということです。家族と住んでいた時は、お饅頭1つでも、等分して分け合って食べていました。
オーストラリアというお饅頭が手に入りにくい環境だっただけではなく、「贅沢は敵だ」の生活をしていたからだけではなく、結局のところ、おいしいものでもなんでも一口あったら十分。あとは惰性で食べているというところ、ありません?
みんなで分ければ一口でも満ち足りた気持ちになります。なくなっちゃうから、食べ過ぎるということがありません。
日本の実家での3年過ぎた生活のはじめはひとりでしたが、そのうち母が帰ってきて1年半ちょっと一緒でした。そして母がグループホームへ入って、またひとり。
忙しく立ち働いてご飯を作る必要がなく、作ったもの、買ってきたものはすべて自分で消化するという生活を1年近く続けて、重篤な副作用は体重増加です。
帰りたいです! 1個のお饅頭や1切れのケーキを4等分できる環境に帰りたいです。残った子どもたちが逃げてしまう前に!
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