台所で使うのもせっけん
私の台所には台所洗剤のビンが立っていません。
実は流しの下の扉の中にいくつか立っているのですが。これは母が買ってあったものとか、粗品でもらったものとか。この前、ゴキブリにかけてみました。
お皿やお鍋を何で洗うか?
石鹸です。あのふつうの固形石鹸。
もう30年以上、石鹸を使って台所で洗い物をしています。これは大阪で働いていたとき、同僚が教えてくれました。お湯で洗うと洗剤がなくてもきれいになるということと、台所用の合成洗剤の代わりに石鹸を使うということ。
教えてくれたのは社会科を教えていた男の先生!
おじいさんになったでしょうね?
私は母ゆずりで手が荒れやすいほうなので、それ以来ずっと石鹸で洗い物をしています。
油汚れがひどいときは1度ではすっきりしませんが、もう1度石鹸をつけるとすっきりきれいになります。
ゴム手袋を使うという人もいるでしょうが、私はなんでも直接が好きなんです。靴下も履きたくないし…
ただし、草引きは薄いラテックスの手袋を使うことに気がついて、これはもうやめられません。
石鹸と一緒に、これも長い間ずうっと使っているのが、サランサラッシュという旭化成の網状の製品。これは長い間に名前が変わって、今は「ズビズバサラッシュ」だそうな。
名前が変わるのは構いませんが、ずうっと、少なくとも私が必要としなくなるまで生産を続けていただきたいです。
子どもたちもこれで育っているから、そのあとも必要か?
このネット状の道具を教えてくれたのは「暮しの手帖」でした。
その頃の暮しの手帖は、料理のレシピの材料のところに化学調味料が並んでいて、そこはいやだったのですが、愛読していました。今はもう入ってませんでしたね。
石鹸とサラッシュ、私の行くところには常に石鹸とサラッシュ。
オーストラリアには日本から買って帰ったサラッシュが備蓄してあります。
オーストラリアでグラッドストーンという町でひとりずまいしたときも、ソロモン諸島のホニアラでひとりずまいしたときも、そして、もちろん今も、見えるのは石鹸とサラッシュ。
私がいないブリスベンの台所も石鹸とサラッシュがあるはず。ああ、この間は娘が反乱して合成洗剤のボトルがありましたっけ!
冬になって手荒れの季節。夏と冬と皮膚の乾燥の違いがよくわかります。夏の間はハンドクリームとかリップクリームがなくてもOKだったのに。
家で洗い物をするときは石鹸とサラッシュでいいのですが、いえ、別にサラッシュはなくてもスポンジでも被害はありません。
しかし、合成洗剤しかないときはどうするか。
洗面所からこっそり石鹸持ってきます。で、返しとく。
昔々、3番目がハイスクールに行ってた時だから、20年近く前、ときどき tuckshop を手伝いに行ったことがありました。tuckshop というのは学校の売店で、お昼時にはサンドイッチなんかを売ります。
責任者はお給料をもらっていることもありますが、親で時間のある人が希望して手伝います。
sink(流し)のところにあるのはもちろん合成洗剤です。今の「なんでも心のむくままに勝手にやっちゃう私」じゃなくて20年前の私ですから、仕方ないからそれを使うと、手に沁みるんです。はい。
ついでにオーストラリアの伝統的な台所の洗い物の仕方をご伝授。
流しにお湯ためて洗剤入れて泡立ったところに食器入れて、だいたいゴム手袋かなんかして、たぶん柄付きのブラシかなんかで洗って、水切りかごに置いて、tea towel(ふきん)で拭いて、できあがり!
えー、すすがないの?!
はい。今は dish washer の普及(いくらオーストラリアでも食洗機はすすぐようです)と、移民および移民の子孫が増えたので、この伝統を守っているお家は少なくなったと思います。
40年前はごくふつうで、そうでない家を探す方が難しかったでしょうが。
なぜすすがないか? 水が少ない大陸だったからではないかという説も聞きましたが、どうでしょう。移民船の中ではすすぐどころか洗う水さえなかったでしょうからねえ。
すすがないで体に害がないのかと尋ねたら、「オーストラリアの洗剤は大丈夫なんだ」という返事が返って来たという話も聞きましたが、そんなことあるはずないです。同じような洗剤に決まってる…
この伝統、ユネスコの無形文化遺産にどうでしょうか?(笑)
最近のコメント