街角のゴミ箱事情
朝、パン屋で、焼けてくるパンをせっせと前に出していると、店の前に大きな音がして、ゴミ収集車が止まります。
この収集車は、いつもの家庭のゴミを回収してくれるものではなく、市のあちこちに設置されたゴミ箱を空にしてくれるもの。
ブリスベン市が業者に委託して行なっているようで、車には業者の名前も見えますが、
横っ腹はなんと書いてあったか忘れましたが、街をきれいにしましょうというような、市の宣伝。
小さなショッピングセンターの前に設けられたゴミ箱です。4、5軒ある、店のお客さんたちが捨てるのです。
12月に日本から戻って、ここを最初に見に来たときは、「あら、ゴミ箱がある。大家さんが空にするのかしら、それとも、気づいた店の人がときどきからにするのかしら」と思っていました。
ところが、市が定期的に空にしていたのです。
娘に、「ゴミを集めに来ているんだねえ 」と言うと、娘は毎朝来てると言います。
びっくり!
形式的に、ときどき空にして、管理してますからね、というのではなく、毎朝、空にしていたんだそうです。
こんな郊外の、店が数軒並んだところにもあるくらいですから、ブリスベン市のあちこち、無数のゴミ箱があるのでしょう。
そういえば、バス停のところにも見かけたような……
半年ほど前、朝、ウォーキングをする時間の余裕があったとき立ち寄った、小さな小さな公園とは呼べないような、道の行き止まりのところにも、ゴミ箱があって、こんなところ、めったに人が来ないだろうに、と思ったことがありました。
そういうゴミ箱も含めて、おそらく頻度の差はあるものの(差があってほしいです。無駄ですもんね)、
お金をかけて定期的に回収しているわけです。
日本との違いを感じました。
日本で、街頭のゴミ箱は絶滅危惧種です。
駅の構内でも、見つけるの苦労しませんか?
どんどん減ってます。うそみたいに。
まだ、飲料の自動販売機の横には缶やビンの回収箱がありますが。
山のてっぺんでゴミは持ち帰りましょう!というのは私も賛成です。しかし、街角や駅の構内、公園とか、ゴミ箱があってもいいと思いませんか?
経費を減らそうという試みなのはわかります。しかし、これって、みんなが気持ちよく暮らしていくための必要経費ではないでしょうか?
「家の外に出るときはゴミを入れるための袋を持って、その袋を入れるためのカバンを持って出かけましょう!」というキャンペーンをしたらどうでしょう?
そしたらわかりますよね。無理でしょってことが。かっこよくファッションやスタイルを決めて出かけられません。
私も、できればポケットに必要なものを全部入れて何も持たずに出かけたい人なのですが、ゴミが出たら、むむむ。
(実は今、クイーンズランド州では、買い物したとき無料の薄いビニール袋に入れて渡すのが、違法!になったので、忘れなければ、ポケットに袋も入れていくのですが。)
日本より、
ずっと人口の少ない(=つまり税収入の少ない)、
地面の広い(=ゴミ回収車がカバーする距離が大きい。これは間違っているかもしれません。こういうゴミ回収は、大きな街だけで、町と町の間は人もほとんど住まず、してないでしょうから)
オーストラリアでできて、
日本でできないって、
不思議です。
それも前はしてたんです。少なくとも駅の構内とか公園にはゴミ箱ありましたもん。
昔々、45年前、オーストラリアに1年いましたが、街の中がきれいなことに気づきました。
そういうのよく、海外では人々のマナーがいいと書いていたりする記事がありましたが、
少なくとも、オーストラリアでは違います。
マナーがいいのではなく、人って、どこでも同じようなもの、
掃除する人がいるからです。それも、ボランティアではなく、ちゃんと給料をもらって雇われている人がいるからです。
私は45年前にオーストラリアに行ってそれに気づきました。
精神一到何事か成らざらん、というのが日本人は好きですが、現実的になったほうがいいこともあります。
日本の道端とか、高架の下とか、よくゴミが落ちていますが、それを見たら、マナーを向上させるべきだと考えずに、清掃係員を増やすべきだと考えるほうが気持ちよく暮らせます。
税収も多いはずなのに、どうして日本ではできないのか、不思議です。
高齢者が多いから、なんて言わないでください。高齢者(予備軍)のひとりとして、高齢化が始まる前から、この差はありましたと言っておきます(笑)。
最近のコメント