世界でもっとも美しい遺書?! ヴァージニア・ウルフ
今日のGoogleのトップページは女の人の横顔で、ヴァージニア・ウルフの生誕136周年とのこと。
ヴァージニア・ウルフという言葉は聞いたことがありましたが、
よく知りませんでした。
ウルフというから、オオカミのスペルかと思っていましたが、
wolf
ではなくて、
woolf
でした。
結婚した相手がWoolfという姓だったのです。
彼女の両親はともに子持ちで再婚したそうです。
今なら珍しくないですが、19世紀後半の時代のイギリスです。
日本とは違いますね。
ヴァージニア・ウルフで検索すると、「世界でもっとも美しい遺書」と言われているという記事が出てきました。
へーえ、そんな段違いに美しい遺書とはどんなものかと、そこに出ていた日本語を読みましたが、別に感銘を受けません。
もしかして、英語なら、すごいのかと原文を探すことにしました。
日本語の検索と違って、
英語でVirginia Woolfと検索しても、「most beautiful なんとか」というのは出てきません。
まず、「遺書」を英語でなんというのか? これがわからないと見つけられません。
Farewell letterだろうかと、これとVirginia Woolfで検索すると、
いろいろ出てきました。
Suicide noteとか Suicide letterというのがもっぱらで、
Farewell noteとかFarewell letterもないことはなかったです。
でも、Suicideは自殺ですから死ぬ前にしか書かないでしょうが、
Farewellは別れなので、別に死ぬ前とか限りません。
「遺書」というのはだいたい自殺のまえですが、自分の意志ではなく死が迫っているときにも使います。
「遺言」というのもありますが、こちらはWillと呼ぶのが普通です。
問題の手紙の原文はたとえばこちらにありました。
http://www.openculture.com/2013/08/virginia-woolfs-handwritten-suicide-note.html
ここには、彼女のその別れの手紙の画像もあって、読めます。
今の日本の中学校で使っている活字体くずれではなく、筆記体です。
Dearestと始めるあたりが、切ないのでしょうか。
結婚したのは1912年で亡くなったのは1941年ですから、結婚して30年近くたっているわけです。
30年後に、夫をDearestと呼べるのはすごいと、わが身に引き換え、思いました。
要するにこれ以上夫の負担になりたくなかったんですね。
壊れていく自分と生きていくのもしんどかったんでしょう。
もっとも美しいかどうかはともかく、
切ない手紙です。
こういう手紙を残された夫はその後、どういうふうに生きたのか興味津々です。
Leonard Woolfは88歳まで生きています。ヴァージニアの死後、ちゃんと別の愛する人も見つけたようです。
ヴァージニアの死はトラウマにならなかったみたいで、よかったです。
私もまだ頭がしっかりしているうちに、子どもたちにFarewell letterを書いておきたいです。
そして、毎年書き換えるか…
寿命が来るか、認知症で書けなくなるまで。
日本語で書くか、英語で書くか、自分で対訳版にしておくか。
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